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2009/11/06

日本にアントレプレナーシップも自立精神もない

昨日、上場企業の社外取締役で集う勉強会に出席。

そこでの議論では、日本のある業界を取り上げ、日本が90年代後半から

すでに業績的にも危機的状況にあること、ガバンナンスなど実は形骸化しておること、

産業構造を変えない限り、すでに日本は沈没しつつあること、などなど、

非常に興味深い議論がたくさんあった。

 

その中で、私が面白いなと思ったものは、一ツ橋で教鞭をとるアメリカ人教授と

某金融機関で長くアナリストととして活躍されている方々との議論だった。その

アメリカ人教授は、日本にアントレプレナーシップが無くなっている現状を非常に懸念している、

日本の(大)企業は今どうなっているのか、誰か説明してくれ、と。

そうすると、アナリストの方が、結局、サラリーマン経営者の保身の論理でしか物事が

進んでいないのが現状で、したがって、どんなにガバナンスのために

委員会方式を取っても形骸化しているのだ、とおっしゃっていた。

また、こういうときこそ、オーナー経営者が出てこないとこの国は危ないのかもしれない、

とまでおっしゃっていたことだった。強力なリーダーシップで、メスを入れる存在が

なければ、企業の改革が難しい、というのだ。事実、ある大企業の社長交代劇が、実は

まったくもって株主の意向も全く考慮されない、恣意的な人事で行われていた実態などを

例に話をされていた。

 

この議論を聞いたとき、ますますこの国に対する危機感をさらに募らせてしまった。

(ずっと私も思っていることであるが)

さて、それで、私に何ができるか、これが問題だ。ここまでの議論で終われば

ただの評論家なのだ。

もちろん、今でも、起業家は生まれ、事業家は育っている。

が、その先の出口が見当たらないのだ。これを打破するといっても、私一人では

どうしようもない。

当然、それでも、彼らをサポートする事業をこれからも続けていくことに、その信念は

変わらないし、実行もする。でも、それだけでは、あまりに無力で悲しい。

仕組み、構造が変わらねば、どうしようもない。今後の私の大いなる命題で

何らかの形で実行したい、と思っている。(思っているだけじゃあ、だめだが)

 

ちなみに、余談であるが、日本では、こういう時期こそ、みんなで頑張ろう!みたいな

雰囲気を出している企業が多いが、この日本でいう「頑張りましょう」「頑張る!」にあたる英語は

何か、とある人が質問したら、アメリカン人教授は、「ない」と言っていた。

「Do your best」も「work harder」も意味が厳密には違う、と。

頑張る、ではないが、アメリカンイングリッシュでよく使う言葉として、あえて言えば

「Let's try something different!」だと、おっしゃっていたとき、

私なりに「何て素敵な言葉だろう!」と思ってしまいました。

「try」という言葉の響き、とても好きです。そして「different」という、日本には

その意味が全くなじめない、むしろ、みんなと「same」でないと村八分になる

社会との違いをまざまざと示す、象徴的な言葉のような気がしてなりません。

 

 

 

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