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2009/06/02

経営者として人ととして

ある企業の話。

急に社長が、ワンフロアの従業員全員に「みんな集まって!至急だ。電話も辞めろ」

と、大声でどなった。

社員は、一斉に目の前の仕事を止めて集まる。

大きい取引をしていた会社が、諸事情で我々の顧客として

降りる、という話だった。

こちらにも非もあるし、先方も経営陣が変わったこともあり

いろんな要素があった。社長が一言。

「今回の件で、営業部長のせいで、取りこぼしたとか、課長のフォローが

だめだったから、落したんだ、とか、よからぬ噂を立てるな。お客様の悪口も

言うな」

「少し前、我々が業績に苦しんでいたとき、この大口のお客様があったからこそ、

今の我々がある。だから、特にお客様を責めるのは辞めろ!

むしろ今回のお客様には感謝しなければいけないのだ!」

「そして、同時に我々がこれまでやっていたことを変える必要は、全くない!

売上が落ちる、という現実はあるが、我々はこの業界のために、

正しいことをやっていると信じている。これが契機で何も変える必要はない。

必ず将来また、このお客様が、やはり我々がやっていたことが

正しい、と感じてくれて、再び我々のお客様としてなるための努力をしようじゃないか!」

 

社員の士気が上がったことは、社員の目を見れば、一目瞭然でした。

私も、なんて素晴らしい企業だろう、と感動すら覚えました。

大口のお客様が降りるという現実を目の当たりにして、「たくさんの経験を

させていただき、支えてくれたのだから、お客様に感謝しなさい!」そして

「これからも、信念をまげず、引き続きお客様のために努力しよう!」と

号令をかける経営者を見て、何か本質的なものを揺さぶられる、

すばらしい感動を覚えました。

 

 

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